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フィンランドの大学で留学生が日本語の授業 ! -「授業の枠組み」と「1回目をやってみて」- 

どうもどうも、

イッチーです。

 

前回の記事に引き続き、僕が先生をさせていただいた【日本語会話の授業について】書いていきます。

 

 

yutaichi.hatenablog.com

(ちなみに前回の記事です。この授業を作った経緯が書いてあります。) 

 

 

今回の内容は

【授業の枠組み】

【実際に1回目の授業を行ってみて】

です。

 

【授業の枠組み】

 

前回お話ししていたように、授業が始まったのが3月。

ユッシ(一緒に授業を担当する大学の先生)との話し合いの結果、

授業の枠組みとして

➀英語やフィンランド語を使わずに全て日本語だけで授業をする

➁基本的に僕が授業を進めていく

➂書くことや座学中心ではなく、会話中心の授業に徹底する

ということになりました。

 

➁と➂はまだ分かるものの、

何故➀が取り決められたかというと

【なるべく負荷をかけてリスニング力を鍛えて欲しかったから】

です。

この聞き取る力が話す力にもつながってきます。

 

ユッシ曰く、フィンランドでは日本語を聞く機会がほとんどないそうです。

そのため、まずは聞き取って理解することから問題になってきます。

 

 

英語に置き換えて考えたら当たり前ですが

相手の言っていることを理解して

初めて言葉を相手に返すことができます。

 

 

 

現在、僕もフィンランド語を勉強していますが、ついこの間その失敗がありました。

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(僕)「Mä opiskelen liikunta ja pysyn toukokuuhun asti.(僕は、スポーツを勉強していて、5月までここにいます。)」

フィンランド人)「Hyvä!  Kuinka kauan olet ollut täällä?(凄いね! どのくらいここにいるの?)」

(僕)「Mä asun Roninmäkissä.(私はロニンマキに住んでいます。)」

フィンランド人)「?????????????」

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僕の中で"kuinka"は、その当時聞いたことのない言葉でした。そしておそらく

どこに住んでいるかを聞いているのだろうという推測をして返答しました。

 

が、

 

とんちんかんな答えでした。

 

 

 

 

 

元々言葉は、お互いの意思を伝えるためのツールでしかありません。

その使う手順を表すとすれば

➀誰かが言葉を発する(発信する)

➁それを受け取る(受信する)

➂こちらから➀を受けて新しく言葉を発する(再発信する)

と、続いていきます。 f:id:atuyihci:20180514234521g:plain

 

(大まかに分けると、このように

何かの出力を受け➀、それを聞いて理解し➁、最後にそれを受けて反応します➂)

 

聞き取りがこの➁の役割を担っているため、必然的に「スピーキング強化」を考えたら

聞く力が必要になってきます。

またリスニングという「器」があるとすれば、その器が大きければ大きい程聞く力もつき、その中から自分の言葉として相手に伝える言葉を選びます。要は、聞き取りはスピーキングにも使えます。

 

f:id:atuyihci:20180514232958p:plain

(このリスニングの器が大きければ、スピーキングの言葉もその器からより多くひきだすことが出来ます。Scatter や Astonish という言葉を聞き取れない(分からない)のに、「I scatter...」とは話さないですよね。聞き取りと理解することは脳で別の部位が働くので、聞き取れたら話せるという事はありませんが。。。)

 

授業を全て日本語にしたのは、日本語→日本語という思考回路を作って欲しかったのと、そういう環境下にいることで、フィンランド語や英語に頼らないで考える癖をつけてほしかったからです。

 

こうした経緯から日本語のみの授業を行うことにしました。

 

そこで問題となることが1つ。

【いかに分かりやすく、授業の内容や指示が伝わるか】を考えなければいけないとういことです。

教科書から学ぶことが多い外国語学習者は【方言や話し言葉】は、最初に勉強しません。

また、日本語の特徴的な「敬語」と「基本形」の違い。

この2つをどのように使っていくのか、どのように話せば伝わるのかをよく考えなければいけません。

 

幸運なことに僕はそこまで方言がきつくないので教科書のような言葉遣いで話せます。

 

 

 

ただ、

 

話し言葉で大いに話します。

 

「なんだけど」

「って言っても」

「そんな感じで」

「めっちゃ・ちょう~」

 

これらは教科書に書いてはいません。リスニングのCDも、こんな話し方は皆無です。

 

なので言葉遣いは相当気を付けました。

 

 

また、授業の中身は何をしてもOKでした。

というのも「この授業は初の試みだから」です。

前例がなく、教科書の様な参考書もありません。そして、教職の資格も無ければそのような学部にも所属していないので、

 

【何をどうやっていいのやら】

 

と、分からないことだらけでした。

 

僕が元々この授業を作りたかったのは、

【留学したとき、旅行した時にできるだけ日本で困らないようになるため】

でした。

そのためには

【活きた日本語を学んでほしい】

 

そういう想いがあったのでそこは崩さずに生徒の意見も組み込みながら

授業を作っていくことになりました。

 

 

【1回目の授業にて】

準備をして1回目の授業に備えました。

どれぐらい日本語ができる生徒が受講するのか分からなかったため、できるだけ文字は少なく、絵や資格で説明できるようなスライドにして臨みました。

 

 

続々と生徒が教室に入ってきて、約20任くらいの生徒が集まりました。生徒のほとんどが日本語どこかのクラスでみたことのある生徒です(それもそのはず、全部授業にでていますからね(笑))。

教室に20人集まったら、少しぐらい話し声が聞こえててもいいものの

 

・・・・

 

テニスのサーブ前か(笑)

 

ってぐらいの静けさ。

 

The フィンランド

「沈黙の共有」。

 

 

ありがたく拝ませていただきました。

 

 

この雰囲気に飲まれず、授業スタートと同時に一気に楽しい空間にしよう!

そう思って授業の開始と共に威勢よく

 

「はい!それではこれから授業をはじめたいと思いまーす!」

 

 

 

 

 

 

 

 

(生徒のみんな)

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

驚いた顔でこちらを見ている。

まるで見たことのないものを見たかのように。。。

 

 

 

 

みんな集中して聞いてくれているんだなー

と思い、続けて話していましたが。。。

 

 

 

よくよく考えてみたら、

生徒からしたら

「あんた誰?」

ですよね。まず。

先生でも誰でもない、高校生みたいなやつが授業している(若干の童顔のため)。

ってなったらそりゃそうなるわな~

 

しかも横には普通にフィンランド人の先生いるから、

「え、そっちの先生が授業するんじゃないの?」

ってなりますよね~

 

 

そんな視線を集めながら、授業を進めていきました。

この日は授業の説明と「自己紹介をしてみよう」ということで当たり障りのない生徒も話しやすい内容を用意してきました。

 

 

授業後の感想としては、

「生徒のレベルにばらつきがあって教える事が難しい」

「準備が全然足りてなかった」

でした。

 

授業受講の条件として、

「日本語3のコースを受講し終わっているまたは留学等をしてそれ以上のレベルに満たしている人」でした。

実際には、日本語3を学び終え、これから新たな文法を覚えていく人、敬語や漢字もほとんどできている人、純粋に話すために受講した人

など様々でした。

 

例えば「授業の目的」をスライドで説明するとき

「授業」と「目的」が分からない人もいれば

「授業」という言葉だけ分からない人

どちらも分かる人

が出てきます。

「目的」を「今日のクラスをなぜするかという理由」というふうに書いたら、長すぎて見栄え的にも良くありません。

 

なのでより分かりやすい言葉で僕がかみ砕き、話していく必要があるなと授業中に直感的に思いました。

 

そして「生徒の分からない様子」が授業をしている時に空気間で分かりました。

-今の話し方は理解していない-

-この言葉はまだ勉強していない言葉なんだ-

それを肌で感じながらおもいました。

【まだ自分の準備では到底足りていなかったんだな】と。

 

授業を終わった後にユッシに言われたのは

 

”スライドも生徒にとってみたら難しいから、それを理解してさらに話している言葉を理解するのに苦労していると思うから、そこを気をつけた方が良い”

 

ということでした。

僕に足りなかったのは生徒からの視点、そして学習者としての視点でした。

 

先生側の

教え方

どういう授業が分かりやすいか

 

ばかりに目が良き、

重要な生徒側の

何を今しているのか

これをなぜしているのか

を授業中に見落としていました。

 

圧倒的に自分の準備と、考えが足りていないポイントだなと痛感しました。

 

 

ただ改善の余地はあります。

実際にやってみたことによって得られた知見です。

これから頑張っていこうと思った1回目の授業でした。

 

 

今回は、

「授業の設定」

「実際に授業を行ってみて」

について書いてみました。

 

 

それでは、次回もまた読んでみてください。

 

 

 

 【What's happening today】

      Today, I am gonna write two things; The framework of this course and The impression of the first lesson I have done.  

[The framework of this course] 

     At first, I didn't have an accurate idea that is about a good lesson.  So, I have decided the framework of this course with Jussi.  There are three ideas for it. 

     1. Using language in a class is only Japanese, not Finnish and English 

     2. Basically, this course's teacher is me 

     3. The format of a lesson is mainly speaking, not writing or doing something, sitting for a long time. 

      I guess we can understand the reason why we made a decision about 2 and 3, but it's hard to understand the purpose of 1. Using only Japanese is 【it makes students improve also their listening skill of Japanese when they place themselves in a strict environment as much as possible.】

     That's how we do it, and it leads to getting better speaking skill as well.  In Jussi's eyes, there are not much opportunities to listen Japanese in Finland.  That's why at first, this problem should be solved.   If Japanese were English, it would be easier to think about.  【We can reply when we can understand what they say.】    Following these thoughts, we tried to teach Japanese in onlyJapanese.

     In that case, there is a big serious problem; How and what should we teach in Japanese to be a topic or a content of each class understandable and clear.   Japanese has a Keigo (polite words toward older people to represent them) and of course there is a dialect.  Hence, I paid attention to these things. 

[About the first lesson]

     On that day, there were about 20 students in a class.  What I was surprised as they didn't talk with classmates.  So, the classroom was silent.   I started the class with a loud voice, then they stared at me that it seemed they'd like to ask me what were you doing...  To my students, what teacher was me was weird because Jussi was on the side of the classroom and he didn't do anything.  Usually, I was assistant and he was the main teacher.  I supposed that that's why they looked like being surprised.    

     After I finished my teaching the first lesson, I felt two things; it's so hard to teach Japanese to people who are different proficiency level and I didn't prepare for the class well.   I realized some students didn't understand the meaning of a word and the others students didn't understand what I said or a purpose of this activity.  Unclear points are different depends on the student.  I thought I had enough time and materials to prepare for this class, but the truth wasn't.  Now, I tried to find out what was not enough for it.   There is one thing is that the viewpoint of students, not a teacher.  This was a 1st time, then I could enhance this course.  So, I do improve my class little by little.   

 

 

 

それでは!

Moi Moi!

 

 

 

 

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